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府中市美術館“ノーマン・ロックウェル展” [子どもとアート]

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 子どものころ家にあった中で1番好きだった Norman Rockwell の画集。老若男女が登場するあらゆる場面を、ときにはユーモアたっぷりに、そしてノスタルジックに、かつ写実的に描いた数々の絵は、一枚見るたびにその絵の背景を想像させるまさに物語のような絵画。人の皮膚から洋服の生地までその質感までが感じられるような“超”写実的な描写には、どうしても写真にしか見えないものもあって、画集に目を近づけてよくよく見ていたのを覚えている。細かいディテールまで描き込まれた絵はずっと見ていても飽きなかった。

 最近では伊勢丹のクリスマスラッピングくらいでしか見ることがなかった Norman Rockwell だったけど、今回府中市美術館で展覧会が行われるというので行って来た。多摩の辺境の美術館だけにどんなものかと思ったらさすがに財政状態のよい府中市だけに立派。公園のすぐ横に位置する美術館は緑に囲まれ、無料駐車場もあり、子ども連れで行くのには最適な美術館の一つ。

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 今回は油彩を含めて35点の作品が報道写真家の Kevin Rivoli の写真と並べて展示されている。Kevin Rivoli はNorman Rockwell の描いた風景を求めてアメリカの日常を撮影するプロジェクトを始めたようで、何十年前に描かれた絵と同じような風景が今でも残っていること、Rockwell が描いた人生における何でもないようだけれども輝く一瞬が今も繰り返されていることに改めて気づかされた。彼の絵は理想主義と批判されることもあったようだが、現代においても彼のとらえた瞬間や表情と似たものが切り取れるというのは、それが限りなく真実でもあり、あまりにも当たり前で普通で、見逃してしまうことが多いからではないかと感じたが。

 日本人にも人気の高い Norman Rockwell だけに展覧会にはたくさんの人が訪れていたが、私としてはアメリカの黄金時代における白人社会の輝きを描いたRockwell の偉業に感心するとともに、日本の日常におけるこうした瞬間を切り取った作品をもっと見てみたい思った。今回は娘を連れて行けず、ベビーカーに乗って足をあげながら見ていた息子と実家の両親と行ったが、リーフレットを見て娘も見てみたいと話していた。常設展では江戸時代から現代まで日本の画家の絵画が展示されていて、また公開制作やワークショップなども別途行っているのでもう一度娘も連れて行ってみようかな。

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コメント 2

ももんが

絵画鑑賞おしゃれですね。
感銘を受ける絵というものに出会ったことがなく感心しながら読ませてもらいました。
多感な子供の時期に色々な絵を見ることもいいですね。
ぜひ娘さんと一緒に行かれてくださいね。
うちの子は???どうでしょうね・・・
by ももんが (2010-06-05 04:21) 

snowy

ももんがさん>たしかに子ども時代に感銘を受ける絵に出合えるのは幸せなことかもしれませんね。無意識ならがらも後々なんらかの影響を与える気がします。お嬢さんも絵に限らずきっと後々印象に残る色々なモノとの出会いをしていくのでしょうね!
by snowy (2010-06-06 08:42) 

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