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東京都写真美術館「 [かがやきの瞬間]スナップショットの魅力 」 [子どもとアート]

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 東京都写真美術館の収蔵作品展「 [かがやきの瞬間]スナップショットの魅力 」が終わるというので、週末に娘を連れて行ってきた。アンリ・カルティエ=ブレッソンをはじめ、有名写真家のさまざまなスナップショット的作品が見れるというこちらの展示、色々あったけど一番印象に残ったのは日本初公開というポール=フスコの「RFK Funeral Train」一連の写真。1968年のロバート.F.ケネディー暗殺後、ワシントンのアーリントン墓地に埋葬するためNY発の葬送列車に乗り込んだフスコが、本来の目的であった遺族や遺体を運ぶ様子などの写真が撮れずに、それを見送る線路沿道の人たちを撮ったという作品。こちらでも。当時のアメリカが生々しく、でもある意味、あまりにも出来すぎていて映画のシーンにも見えたり、いずれにせよとても引き込まれる写真。

 写真は真実を写すものとは限らない、と先日、本を読んで思ったばかりだけど、作られた写真、美しい写真の楽しさとは別に、やはり写真の真骨頂は、真実の断片や瞬間を切り取れることではないかと思ったり。

 娘は、写真だけの展示会が初めてだったのでやや当惑気味。絵の方がいいなぁ、と言っていたが、一応静かについてきた結果、一番印象に残ったのは「ケーズデンキの写真」だったとか(笑)。帰りがけにミュージアムショップで予定外のお土産を買わされるはめになったが、まぁ静かについてきてくれたのでよし。

バレエの発表会 [子どもとアート]

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 娘のバレエ発表会。先週からの集中稽古に加え、前日から舞台稽古入り、当日も通し稽古をしてやっと本番。待ち時間が何時間もあり、5歳の娘と、その娘をサポートする役割の私にとっては過酷なときとなったが、日本のバレエ界においてはこれが普通らしい。前日には疲れのあまり、娘も私も不機嫌の絶頂となってしまったが、当日は衣装とメークをと整えると、娘の気分は上り調子に。
 いざ本番。無意識に緊張したのか、失敗もいくつかあったが、本人としては何か特別なことを成し遂げた満足感はあったよう。大の恥ずかしがりやで身内以外にはささやくようにしかしゃべれない娘も、大きなホールの舞台で踊るのは大丈夫らしく、しっかり前のほうに陣取っていた家族を踊りながら見つけたらしい。
 今回、ステージママにだけはなれないと悟った私。バレエはいつまで続けるのか知らないが、本人がやりだしたいと言って始めたこと。習っている間はとことん楽しんで欲しい。
 何事も初めてのことを経験するのは大人も子どもも大変で疲れるけど、それはそれでやはり新鮮で楽しい。

府中市美術館再び 夏休みこどもびじゅつかん [子どもとアート]

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 東京都現代美術館で行っている「こどものにわ」展に行く予定だったのだが、時間に余裕がなくなったのでやめようということになったところ、どうやら“美術館に行く”モードになってしまった娘が「美術館に行きたい!」と主張するので、またもや近場の府中市美術館を訪ねることに。こちらもちょうど夏休みの子ども向け展示を行っていた。

 子どもが先入観なしに絵を観られるようにという配慮なのか、題名や作者名はいっさいなし。観察・真似・想像をテーマに、気に入った絵の感想を絵のコピーに貼り付けたり、絵をトレーシングペーパーでなぞったり、一番印象に残った絵を思い出して展示場の外で色鉛筆で再現するなど各展示ごとに課題が設問があてられている。私としてはやや説教くさく、少し押し付けがましさを感じたけれども、娘は純粋になぞなぞを解いたりする感覚で楽しんでいたようで、またもや「芸術が爆発」(笑)、お絵かきコーナーからなかなか離れず。

 まぁ、こうして美術館を静かに楽しんでくれるのは親としてはうれしい。心配なのは息子のほう。あまり騒がないほうではあるけど、娘よりはやはりうるさく飽きっぽい。小さいころからこの環境に慣れ親しんでくれるとありがたいが。

こどもためのバレエ@新国立劇場 [子どもとアート]

 子どもが生まれて以来すっかりご無沙汰になっていた観劇。やっと娘も5歳になり、ほどほど静かにして舞台を楽しめる年ごろになったので、まずは子ども向けの舞台に連れて行ってみようと思って調べてみたところ、夏休み中は子ども向けに色々なイベントがなされていて選ぶのに迷うほど。バレエを習っているので飽きにくく、また舞台の雰囲気も味わえそうということで、その中でもダントツにお手ごろな料金で開催されている、新国立劇場のこどものためのバレエ「しらゆき姫」に行くことにした。

 会場に向かうと、女の子&母親のペアがたくさん! 観客の9割が女性なのでトイレも予想通り大混雑(泣)。子どものための普及イベントということで、会場にはネイルコーナーやボディペインティングコーナーがあり、娘は開演間もなくというのにその長蛇の列に並んでしまいあせる。あきらめて列を離れる人も多いので、何とか順番が早くまわり、娘ピンクのマニキュアをしてもらい大満足。

 さて、会場に入ると2階席ながらもよく見える席。パンフレットも子ども向けに作られたカラー写真満載のもの。子どもがわかるようにナレーションであらすじが語られ、怖い場面もほどほどに抑えて子どもが理解できるよう随所に工夫がされている。新国立劇場バレエ団のソリストが演じるしらゆき姫。値段が値段だけにちゃんと踊ってくれるのか心配だったけど(笑)ちゃんと踊ってくれた。その後も子どもが楽しめるようにとかなりコミカルな展開で、最後には王子としらゆき姫のパ・ド・ドゥ。途中娘が飽きてしまう場面もあったものの、しらゆき姫が真っ白の衣装を着て結婚式で王子と踊る様子に娘はうっとりと楽しんでいた。大人としては、やや違和感のある展開があったり、バレエとしてはどうなんだろうと思う箇所や、研修生が踊っているためか素人目にもジャンプがそろっていなかったりする部分も目についたが、初めてバレエを楽しむ幼児にはとてもよかったと思う。何せ、2100円という料金で立派な舞台でプロのバレエ団の踊りを見られるのだから、これはお得。娘がどのくらいこうした舞台を楽しんで静かにしていられるかを実際に試すこともできたし、小学生以上しか入場できない舞台も多い中、貴重な存在。

 会場には「シンデレラ」や「眠れる森の美女」の衣装や衣装画も飾られていたり、スタンプラリーにイベントもたくさん行われていてゆっくり楽しめるようになっていた。

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 夏休み中こうしたイベントは各地で行われているようなので、いつか親子でブロードウェーに行ける日を夢見ながら、親子でたまにんは観劇に行ってみようと思う。
 

府中市美術館“ノーマン・ロックウェル展” [子どもとアート]

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 子どものころ家にあった中で1番好きだった Norman Rockwell の画集。老若男女が登場するあらゆる場面を、ときにはユーモアたっぷりに、そしてノスタルジックに、かつ写実的に描いた数々の絵は、一枚見るたびにその絵の背景を想像させるまさに物語のような絵画。人の皮膚から洋服の生地までその質感までが感じられるような“超”写実的な描写には、どうしても写真にしか見えないものもあって、画集に目を近づけてよくよく見ていたのを覚えている。細かいディテールまで描き込まれた絵はずっと見ていても飽きなかった。

 最近では伊勢丹のクリスマスラッピングくらいでしか見ることがなかった Norman Rockwell だったけど、今回府中市美術館で展覧会が行われるというので行って来た。多摩の辺境の美術館だけにどんなものかと思ったらさすがに財政状態のよい府中市だけに立派。公園のすぐ横に位置する美術館は緑に囲まれ、無料駐車場もあり、子ども連れで行くのには最適な美術館の一つ。

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 今回は油彩を含めて35点の作品が報道写真家の Kevin Rivoli の写真と並べて展示されている。Kevin Rivoli はNorman Rockwell の描いた風景を求めてアメリカの日常を撮影するプロジェクトを始めたようで、何十年前に描かれた絵と同じような風景が今でも残っていること、Rockwell が描いた人生における何でもないようだけれども輝く一瞬が今も繰り返されていることに改めて気づかされた。彼の絵は理想主義と批判されることもあったようだが、現代においても彼のとらえた瞬間や表情と似たものが切り取れるというのは、それが限りなく真実でもあり、あまりにも当たり前で普通で、見逃してしまうことが多いからではないかと感じたが。

 日本人にも人気の高い Norman Rockwell だけに展覧会にはたくさんの人が訪れていたが、私としてはアメリカの黄金時代における白人社会の輝きを描いたRockwell の偉業に感心するとともに、日本の日常におけるこうした瞬間を切り取った作品をもっと見てみたい思った。今回は娘を連れて行けず、ベビーカーに乗って足をあげながら見ていた息子と実家の両親と行ったが、リーフレットを見て娘も見てみたいと話していた。常設展では江戸時代から現代まで日本の画家の絵画が展示されていて、また公開制作やワークショップなども別途行っているのでもう一度娘も連れて行ってみようかな。

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長野県信濃美術館・東山魁夷館 [子どもとアート]

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 ロンドンにいた小学生時代、一番身近でよく目にする絵はマリア様やイエス・キリストを描いた宗教画だったように思う。聖書の一場面を描いた宗教画は何だかおどろおどろしく、教会や美術館などでおっかなびっくりで親の背の影からその類の絵をよく見ていたが、決して好きにはなれなかった。そんなとき家のブックスタンドによく飾ってあった東山魁夷の画集。西洋画とは違う独特の色とやわらかいタッチで描かれたその静謐な世界は、宗教画とはまったく違って心やすらぐもので、よくその画集に見入っていた。

 ということで、一度行ったことはあったのが、もう一度見に行きたいと思って信州旅行ついでに長野県信濃美術館・東山魁夷館へ出発。突然真夏のような天候に変わってしまったGW中日、善光寺周辺は多くの観光客でにぎわい、車も裏道を通らないと大混雑。お腹が空いていると子どもが暴れそうなので、まずは近くのおそばやさんで腹ごしらえ。ついでに善光寺の門前町をぐるり一周。

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 古くからある小さな商店も「まちかどミニ博物館」と称してウィンドーにちょっとしたものが飾られたり、昔の商家や蔵を利用しておしゃれなショップ街に改装したりと、日本風のもの、古いものを生かした善光寺の町おこしはいつも上手だと感心する。変に洋風にして安っぽくひなびてしまった全国各地の観光地はぜひ見習って欲しい。

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 善光寺のお寺自体も大変立派で見がいがある。庭も広く木や花があちこちに。境内は人であふれていても、庭には案外人が少ないので穴場。

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 目的の東山魁夷館は、善光寺の隣。今回のテーマは「魁夷がみつめた四季」で、子どものころよく画集で見ていた京洛四季の桜や紅葉の絵が展示されている。日本画特有の岩絵の具で描かれているためなのか、なんともいえない奥深い色彩。娘、町巡りでややお疲れ気味だったが、桜の花びらが地面に散ったところを描いた「行く春」が気に入ったよう。この美術館、館内一面ガラス張りのところから信州の緑の山々が見えるのだが、それこそ額に入った絵のように美しく、晴れた日はここを見るだけでも満足感いっぱい。

 私の心に深く残っているように、娘にも東山魁夷の絵は心に残るのだろうか。わが家の本棚には東山魁夷の「春」をテーマとした小さな画集が1冊。
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岡本太郎記念館 [子どもとアート]

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 TVに出てくる奇怪なおじさん、というイメージしかなかった岡本太郎だったが、ほかの多くの芸術家同様、彼もまた亡くなった後にその作品が再評価され、今またもや立派な類まれな才能をもったアーティストとして評価されている。独特の色づかいや筆づかいの絵や、奇妙なオブジェには好き嫌いが分かれ、一般人にはなかなか理解できない感性だったりして、私も決して岡本太郎好きではなかったのだが、何となく気にはなっていた。子どもにある意味わかりやすそうな作品が多そうだし、今回岡本太郎が撮りためた写真が公開されるというので、アトリエ兼住居として生前彼が使っていた場所にある、南青山のブルーノート近くの岡本太郎記念館に行ってきた。

 想像以上にとても小さな記念館であったが、一歩敷地内に入ればそこは太郎ワールド。つまらな~い、と口をとがらせるかと思った娘が予想外に興味を見せて、ぐんぐん進んでいく。

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 絵画も迫力満点だったが、やはり子どもは絵画よりもオブジェに反応。肝心の写真はというと白黒のため、すばやくスルーされてしまいゆっくり鑑賞できず。アトリエも公開されていたが、なんともいえぬ空気感が漂ってる。いつのまにやら“芸術が爆発”してしまった娘は訪問帳に絵を描き始めて、その場から引き離すのに苦労(笑)。

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オブジェがずらりと並ぶトロピカルな庭へ

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娘のお気に入り

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私のお気に入り

 この庭の不思議な魔力にとりつかれてしまったようで、娘小さな庭をあちこち丹念に見て周り、.いっこうに帰りたがらず。岡本太郎ってどうよ?とちょっといぶかしげだった私もダリ好きなだけに楽しくてその魅力再発見。

 入場料600円とお手軽な上、写真撮影もOK、実際に触れることができるアートも多く、とても小さな館なので見る場所も少なく、子連れにもなかなかよいスポット。庭だけなら無料で見ることができるし、ふらりと散歩がてら立ち寄ってアートな休日を楽しめる。

 
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